2006年秋:新アニメ一話感想

一話のみを見終わった地点での感想です。
その後に化けたり失速したりする可能性が多々あります。
順番は見た順に並んでいます。


■テイルズオブエターニア
これまたゲームのアニメ化。こっちはファンタジーもの。元は人気シリーズRPGだけど、一つも遊んだ事ないです。WOWOWですでに放送終了したものがu局に登場。

一話ということで絵はそこそこだったけど、いきなり専門用語が飛び交って、どうにも置いてきぼりにされた気分だった。しかし戦闘シーンはゲームらしくてなかなかに爽快。ザリガニの怪物にウンディーネの水属性攻撃が効かないというのもいかにもゲームっぽい。

剣と魔法のファンタジー冒険ものとしてはひたすらに実直で正統派。まだ面白味は見えてこないけど、展開次第で化けるのかな。ほっちゃんが声を当ててるドジっ娘吟遊詩人はハイテンションで可愛い感じ。

■コードギアス-反逆のルルーシュ-
リヴァイアス、スクライド、ガンソの谷口悟朗、さくらたんのCLAMP、ガオガイガーの木村貴宏、そしてOPはエウレカのFLOW、EDはローゼンのアリプロというまさに鉄壁の陣で固めたサンライズのロボットアニメ。新宿アルタ前広場に大きい広告を出したりとメディア展開もぬかりない。ぬかりがないからって成功するとは限らないんだけど。

さすがに作画は良好でサンライズの本気を感じる。主人公は女の子に人気の出そうな俺様系美形。トラウマ&燃えを得意とする谷口アニメということで期待値は高いんだけど、いきなり超大国ブリタニアに支配されて、「日本」から「エリア11」と名前を変えられたというショッキングな設定から始まり、貴族や生物兵器、差別発言、老人虐殺という重い展開でぐいぐい引き込んでいく。CLAMP特有のスマートなキャラが軽く見えるほどだ。

主人公の狂気がどうなるのか。そもそも謎のミュータント少女(?)から手に入れた力で、睨むだけで人を操れる(?)力を手に入れたルルーシュは主人公なのかという引きも含めて、今後の展開も見逃せない。キャラのせいでヲタ臭さは高いが、それでもまずは見ておくべき作品という感じ。

■はぴねす!
魔法学校を舞台にした学園ものラブストーリー。とは言っても世界観はごく普通の日本。

幼い頃の思い出、魔法、賑やかな悪友といったお約束要素はまあいいんだけど、にしても特徴が少なくて他のアニメとの差別化が乏しく感じる。いつも持ち歩いてる魔法の杖とは対話できるようで、魔方陣エフェクトと合わせてちょっとリリカルなのはっぽい。

魔法バトルなどがメインというわけでもなさそうなので、魔法使用時のバンクはちょっと浮いてるような。あと主人公の名前がハルヒってのは偶然だろうけどタイミング的にちょっと。仲良くもつっかかってくる金髪ツインテールのライバルはちょっといい感じか。主人公は消極的なようだし、面白くなるかどうかは彼女の頑張りにかかってると思う。

ネタになるほど悪いわけでもないが、注目するほど良くもないという位置。印象の残らなさは問題だと思う。

■地獄少女 二籠
夕方から深夜に時間を変更しての続編。いきなり燃え盛る村の中を、血の涙を流しながら徘徊する閻魔あいの美麗さはインパクト強かった。

前作で終盤にいろいろあったけど、とりあえず閻魔あいは地獄少女を続けていくらしい。というわけでストーリーの基本進行は前作と同じで一話完結。決め台詞も相変わらずだけど、ポーズは変わってた。

今回は学校で陰湿ないじめにあっている女子校生の描写が強烈で、誰が主犯なのか不明で、周りのクラスメイトも親しくないから助けてあげないままというイジメの構図が辛かった。悪いことが起きるのが前提のアニメなので、オチは分かっちゃうんだけど。

…にしても、深夜になって怖さが増すのかと思ったら、エロさの方がパワーアップしてたのは嬉しい誤算というか。地獄連中が白衣を着て巨大実験具セットで悪人をいたぶるというのはコントのようでちょっと笑ってしまったんだけど。今回のエピソードに関しては後味の悪さは前作より上だった。

■すもももももも
いきなり「子作りしましょ♪」で始まるオープニングは我らがMOSAIC.WAVなので応援します。作画は特に良くはなかったけど、作画どうこうよりはハイテンションなギャグを味わうという方向性なのだろうからまあ気にせず。

という割に、正直なところ今回は面白みを感じれなかった。強いと勘違いされているけど実際には弱いという主人公が、不良相手に憲法の話をして対抗するというのにいまひとつ爽快感を感じられなかったんだよなー。委員長が萌えるという話なので、とりあえずはそれを期待して見ていきましょー。

■夜明け前より瑠璃色な
エロゲ原作でもちろん未プレイ。タイトルのヲタ臭さはいっそ清々しい。略称は「よあけな」「けよりな」「あけるり」「よりるり」、「よあるり」、「瑠璃色」、「あまえるな」等々あるらしいですよ。

最初に重厚な感じで地球と月との戦争の歴史を紹介するナレーションを入れつつ、突然に軽いノリで月のプリンセスがホームステイに来るというのはギャグだよね?来訪系パーレムパターンの王道なんだけど、とりあえず今回はストーリー、作画共に特に見るべきところはなかったと思う。

キャラとしては王女様はもちろん、妹、姉、メイドさんにウエイトレスまで色々と揃っていたけど、今のところ琴線に触れた女の子はいなかった。それにしてもどいつもこいつも幼い頃に甘酸っぱい思い出があるもんだな。

■GIFT
あちこちで言われているように、キャラはダカーポに似すぎだ。まあよくあるタイプといえばよくあるタイプなので気にしまい。

作画等は特に力は入ってなくて面白くなりそうな匂いはしなかったけど、不自然なパンチラはまあアリ。さくらそっくりの女の子は魔法使いということを隠しているようだけど、町ぐるみでGIFTという魔法のような力を認識している世界なわけで何か違和感を感じた。まあしまぱんなので許そう。

それよりもストーリーの方が、事件の起源が良く分からなくて全くのめり込むことができなかった。勘違いの思い込みでGIFTの力が暴走したってこと?しかしそもそも入学した新入生の女の子とは対面もしていなかったようだし、誤解が入り込む余地すらなかったような。

■あさっての方向。
田舎の美しい風景の中で、幼い妹と二人暮しをしている男の元に昔の恋人がやってきて…という感じで、甘酸っぱくなるのかなと思いきや、突然消えた恋人に対する恨み、その妹に対する逆恨み、周りの人に対する逆切れなどが飛び出してすげー空気の悪い雰囲気に。空気の美味しい田舎なのに!絵柄は地味ながら、重い空気の雰囲気や、背景などは綺麗に描かれていた。

昔に戻りたがっている元恋人と、早く大人になりたいと思っている妹の年齢が入れ替わったということなんだろうけど、すでに微妙になってしまっている人間関係の中で、今後どんなドラマが待っているのか。ギスギスしても辛いし、幸せすぎてもウソっぽくなる。難しそうだがそこも含めて興味深くはあるな。

■銀河鉄道物語〜永遠への分岐点〜
前にやってた銀河鉄道物語〜忘れられた時の惑星〜の続編なのね。999の世界観で、銀河鉄道全線での物語を描く…とことらしいんですけど、前作は未見。

どうやら前作で謹慎処分になっていた主人公の少年が、事故のあった列車を救いつつ、復帰するという話だったようだ。ごくごく正当な少年成長劇という感じ。地球に落下しそうな宇宙船(in主人公)にレーザービームを当てて弾き飛ばすって漫画的ムチャさを有無を言わさずに受け入れさせる力がある。松本零士系美女の雰囲気も良い。

しかし、逆に言うと真っ当すぎで、深夜アニメのメイン客層であるオタク的な面白みは感じられない。夜の7時とかのゴールデンにやるべきアニメなんじゃないだろうか。

■史上最強の弟子ケンイチ
虐められっこの少年が、様々な武術の達人に弟子入りして強くなっていく…という話のようだ。サンデーの原作は未読。ボーイミーツガールに軽いギャグを交えつつ、バトルは熱血になるのかな。

正直、アニメとしてびっくりするようなセンスを感じたりはしなかったんだけど、うる星からGS美神、最近では美鳥の日々に受け継がれるサンデー系ドタバタアニメの流れとしての安心感は感じた。

パンチラも多少あったけど、テレ東大丈夫になったの?

■銀色のオリンシス
とりあえず作画悪っ!というのが第一印象。キャラデザインは見て分かるようにガンダムSEEDやファフナーで大人気の平井久司。くのいちみたいな衣装はかなりエロいので作画は頑張って欲しいところだが。

しかしストーリーに関して言えば、賞金稼ぎ系砂漠SFに白痴少女が登場したりと、素材に関してはそれなりに面白くなる可能性はあるラインナップだと思う。今回は駆け足だったけど、意外な良作に化けてくれたら嬉しいかな。

■ぷるるんっ!しずくちゃん
明らかにお子様向けアニメだったんだけど、赤ずきんとふたご姫に挟まれてたので見ることに。

童話的世界を背景に、しずくちゃんを中心としたどこか変なキャラクター達が登場してドラマが進んでいく、アンパンマンというよりはぜんまいざむらい方式らしいんだけど、主人公の天然白痴っぷりや無責任では済まされない両親、ヒロインの惚れっぽさなど、全般的にシュールというかどこか毒を感じる。アニマル横町ほど狙った感じでもないんだけど、とにかくどこか変。ヘリタコぷーちゃん的な感じか…って我ながら懐かしい名前が出てきた。

正直なとここれ単体では見続けないだろうけど、録画の都合で赤ずきんとふたご姫、そしてREBORN!と一緒に見ちゃうかも。

■家庭教師ヒットマンREBORN!
ジャンプアニメかーと思って期待せずに見たんだけど、個人的には今期のジャンプ原作アニメの中では一番楽しめた。ダメ少年である主人公の前に、どうみても幼児な家庭教師(自称スナイパー)がやってきて、実はマフィアの血を引いている主人公を守りつつ鍛えるという図式なんだけど、甘やかしすぎるわけでなく主人公自身の力(道具は使うけど)で何とかさせようとするあたりは、どこか「ミルモでポン!」を連想させる。主人公を虐める嫌な先輩を、ちゃんと学校のみんなが「嫌なやつだ」と認識したりするのは安心感を感じたし、全てを理解しているようなお母さんもポイント高し。

派手なバトルやパンチラ、鬱展開などは期待できそうにないということで深夜アニメ族にはお薦めしないが、しみじみと微笑ましくなるような展開を希望したい。

■天保異聞 妖奇士
江戸時代を舞台に、妖夷(ようい)と呼ばれる異界の獣を倒すため立ち向かう妖士(あやかし)達のドラマ。

ボンズということで作画は良好。理不尽な身分制度や罪人に入れられる入れ墨、オッサンばっかりの湯屋の描写などは、真面目に作品を作っていこうという気概を感じた。しかしSEED、ハガレン枠で腐女子人気を見込めるこの時間帯で中年の裸ばかり放送するのはちょっと不利ではないかという心配もある。

キャラデザインがちょっと特殊というか、妙に黒目がちでまつげが目立って、エースを狙えとかベルばらを思い出したほど。主人公はしょうがないとしても、貧乏で不幸な中年女性までキラキラした目をしているのはちょっと違和感を感じたんだけど女子から見るとどうなんかな。化け物というよりは異形の神とでも言うべきような巨大な妖夷のデザインは面白い。

なんだかんだで良作になりそうな予感はあるが、それ以上に土曜の夜6時、基本4クールという高視聴率&社会現象を望めるゴールデンタイム、逆に言えば横綱相撲を要求される時間帯で、時代劇というアニメとしては特殊な作品を放送するのが興味深い。どうやら主人公たちには色々と特殊な能力があるらしいので、そこらへんをアニメ的に面白く見せれるかがとりあえずのポイントか。

■乙女はお姉様に恋してる
エロゲ原作、しかもタイトルの読み辛いオタ臭さは「よあるり」以上。ちなみに「おとめはぼくにこいしてる」と読みます(ゲームの時は「処女はお姉様に恋してる」と書いて同じように読ませてたからそれよりはマシか)…と最初から色眼鏡で見てしまったんだけど、意外にちゃんと作られてて驚いた。

祖父の遺言により、女装して女子高に通うことになった男の主人公が、校内女子の人気者になってしまって…というトンデモ設定なんだけど、プロミスアイランドや姫制度、通称BL学園で耐性がついているのかそれほどの違和感は感じなかった。実際にはここでインパクトを受けておくべきなんだろうけど。

キャラデザなどに斬新さは感じないけど、作画はそれなりに安定。エンディングもデフォルメキャラが一工夫されている感じがして好感が持てた。パンツ丸出しなのに全く嬉しくない全員登場シーンは、ヌードイラスト連発のみでお茶を濁すというエロゲ系アニメにありがちなエンディングに対するアンチテーゼか。

今後は男という正体を隠すためのドタバタが展開されていくのかな。まあ設定ありきの作品のようなので、良作を期待というよりはさんざんムチャをやって呆れさせて欲しい。

■人造人間キカイダー
2000年にキッズステーションで放送されていた、キカイダーの原作漫画を忠実に再現したアニメが地上波に登場。上の公式サイトはその時のもので、今回の放送に関して更新はされてないみたい。

キカイダーといえば昔の特撮が有名で、単なるヒーローものと捕らえている人もいるかもだけど、漫画は重苦しい鬱展開が描かれており、このアニメのトーンも暗め。009-1もやっている紺野直幸が作画監督ということで石ノ森絵の再現度は高い。

ギターを背負ったヒーローというのは完全に昭和な感じがするけど、野暮ったいながらもカッコいい雰囲気は良く出ている。そして変身後のキカイダーのアンバランスな不気味さ、不完全さを前面に押し出したデザインの秀逸さは心震える。

手放しで褒めちゃってるけど、これがカッコいい基準として育てられてきた世代(正確にはもうちょっと上の世代向けだけど)なのでしょうがない。勉強の意味でも、原作を知らない人に見て欲しいと思う。鬱だけど。

■BLACK LAGOON The Second Barrage
前作の一話レビューでは「第一話はいい出来だけど、戦場ものが苦手なんで見続けるかは微妙」なんて言ってたけど、その後もクオリティ落ちずにしっかりと最後まで楽しませてもらった。見る目ないわー。

でー今回はその続編、というか前回も最終回らしきエピソードはなかったのでまんま続き。OPとEDも変わっておらず、今回が13話となっている点からしても、単に途中で1クール分の休憩が入ったようなものと捕らえたほうが良さそうだ。

原作は未読だけど、今回は原作中でもかなりヤバめのエピソードと噂の双子編ということで期待値も上がる。良好な作画、アメリカ映画的な言い回しは健在で安心して見れるね。

■くじびきアンバランス
既に完了した人気オタク漫画「げんしけん」の中で出てきていたアニメが現実でもアニメになった、ナデシコのゲキガンガーのようなパターン。

何でもくじ引きで決める学校を舞台にしたラブコメディということなんだけど、そもそもがげんしけんの劇中劇なわけで、独立したテレビシリーズとして耐えうる素材かと言うとちょっと疑問を感じてしまう。次回予告をげんしけんのキャラがやるっていうのもファンサービスなんだろうけど、何となく七光的なものを感じて印象よくなかった。

しかし逆に言えば、細かい内容が定められていない以上、ほぼ白紙の状態から始めれるわけで、思いっきり好き勝手やって欲しいと思う。今回はゴトゥーザ様のぽんこつボイスが光ってたね。



一流ホームページ